ファン

ちゃんと数えたら、家に11枚あった。

CDアルバムの数が。

 

くるりの。

 

ここ最近は聴かなくなってしまったが、

たぶん18歳くらいからずっと、心の傍らにくるりはいる。

めちゃくちゃ大ファンではないけど、ずっと鳴っている。鳴っていた。

自分にとってそういうバンド、くるり

 

ファンファンが抜けた。でも別に驚かない。

もう何回目だろう。森君、クリス、達身、吉田省念などなど。

みんないなくなった。

こんなに色々な人が出ては入るバンド、珍しい。

いったいくるりとは何なのか。

 

マグカップだ。気に入ったマグカップ

今日ずっと考えていて思った。

くるりの歌はいつも叙情的でつかみどころはなく、

だけど聞く俺のこころに少し触って、どこかへ消えていく。

俺はたぶん、そんなくるりという存在というか雰囲気というか、

そういう感じ自体がかなり好きで、くるりという容器に入れたものなら

たぶん好きなのだ。だから誰が入って抜けても関係ない。

くるりくるりだから。

 

つまり岸田繁なのかと言われると、ちょっと違う。

岸田繁自体はけっこうスカしているときもあって、彼自身に惹かれている

のではない。あくまで演奏しているくるりというバンドの音楽が、

好きだ。

 

好きな曲はと言われたらそれはそれであるが、

どこがと言われるとさっぱり答えられない。アルバムによって

けっこう違うことをやるし。でも、ずっとくるりが俺の中にはある。

 

 

 

青い空は遠くなっていく

あなたの言葉やぬくもりを

思い出したら夕凪が言葉も云わず暮れていく

僕は今日も変わりなく何かのために生きている

 

 

ひとつ、ささやかな夢があって、

いつか子が年頃になってもしも音楽が好きだったら、

妻君と子と一緒に、おそらく還暦に近いくるりを聴きに、ライヴにいきたい。

少し欠けたマグカップも、俺は嫌いじゃない。