美術館

先日、一人行動できる日があった。

しばらく行けなかったし、美術館に行った。ピーター・ドイグの絵を観にいった。

絵を眺めることはサウナみたいなもので、定期的に行いたいものだ。

構成がどうとか、意図がどうで、みたいな専門的な見方は俺にはわからないが

マティスとかに近い作風のもあって、とても好きな感じの絵だった。

こういう風景が、そこにあった。こんな男と女が、そこにいた。

それだけ。

ただただ眺めていたい絵だった。

いつか模写でも手に入れられるなら、飾ってみたい。

 

館内で、カシャカシャとあちらこちらで音がした。

おいマジかよ美術館だぜ。と思って館内の監視員みたいな人(スタッフ?)を

みても、知らん顔。

絵を撮るなんて御法度じゃないの?と思ったら、むしろOK,

インスタで上げてくださいとか何とか。

どの絵でもスマホのシャッター音。カシャカシャ。

接写して更にもう1枚。

油絵の細部だけ撮って何になるのだろう。

気になる。うるさい。全然集中できない。たぶん客の3割くらいは絵を撮っていた。

俺には、地獄だった。

 

その絵を、この目で、見るんだろう?

 

作者は存命であることから、権利がどうより、むしろ宣伝になるのだろう。

これがいまの価値観なのだろう。と無理やり理解したが、本当に嫌だった。

せっかくのいい絵だったけど、

二度とこういう条件のとこは行きたくない。まったくもって品がない。

が、これがデフォルトになってしまうんかな。。。

 

ちなみに外食時にスマホですぐ出てきた料理を撮る人が、

(たぶん絵画の100倍くらい)いるけど、俺はいつもヒきます。

その人の自由なので言わないけど。

食いかけをとった時はマイナス5万点。下品すぎ。

腹が減って、いただきに来たんじゃねえのかよ。作ってくれた人と料理に失礼。

まあ絵と同じで、俺なんかの意図と現実は、違うんだろうけど。

妻君は昔から絶対にそんなの撮らないので、そういう信頼感はある。

 

おれは偏屈なまま、絵にもならないひどい姿で、いつかは死んでいく。

悪くないだろう。