カーディガン

ついに、カーディガンを着るようになった。

カーディガンというものを解ることができた、と言った方がいいかもしれない。

 

今まで、秋と言えばTシャツの上に、

襟のついたシャツないし襟のない薄い長袖的な服(名前がわからん)を来て、

もっと寒くなったらセーターなりジャンパーなりコートなりを着る、

という服装しかわからなかった。

 

カーディガンのような、「フワッと羽織る」タイプの衣類のことは、

オシャレ上級者と寒さに弱いジジイに任せとけばいいと思っていた。

なんというか、軟弱な服だと思っていた。

それあったかいのかよ、ていうか前開いてんぞ。ヒラヒラすんじゃねえ。

意味がわからなかった。

若干透けてるし。キモっ。

 

 

少し肌寒くなったので上着を見に買い物に出た際、

妻君が言った。

カーディガンにしなよ。

 

俺は、自分がジジイと思われていると感じ、まあ否定できんところもあり、

でも一応、やだよ。ジジくせえ。と言った。

 

良いから一回着ろやとしつこいので(こういう妻君の提案には逆らっては

いけない事を俺は経験的に学んでいる。殆どの場合、妻君が合っている)

まあ、しょうがねえなとしぶしぶ着てみた。

 

着てみた。

 

あれ、、、いい。

かるい。

あたたかい。

やらかい。

肩に、肩にやさしい。

 

カーディガンは40になった俺が今まさに着るべき服だった。

シャツもロンTもなんでも優しく包み込んでくれる。

こんなに透けてるのに、あたたかい。

優しさに包まれたならは、カーディガンの事を歌った曲ですかユーミン

 

こりゃジジイも着るわ。軽いし超いいじゃん。

黒い厚めのカーディガンと、青の薄いカーディガンを買った。

肌寒い今みたいな時期にちょうどいい。

40にして初めて、俺は羽織っている。羽織に羽織っている。

カーディガンの覇王に、羽織王に、つまりジジイに、俺はなる。

 

 

カーディガンズってバンドが昔いたけど、めちゃくちゃいいよね。

今も好きでたまに聞く。

I will never know,cause you will never show...

妻君、俺に教えるの10年遅いわ〜