心理

渋谷公会堂で、寝てしまった。

正確にいうと今はLINEなんたら渋谷だけど、そこで寝てしまった。

ライブを観ているときに寝るなんて初めてだ。

音の洪水の中で安心して寝てしまうくらい、いいライブだった。

折坂悠太。

 

聴いている最中、センター街で見かけた

かむくらのラーメンの事を考えていた。

毎日毎日、富岳かよ俺はってくらい脳と心と手を使いまくっていると

色々擦り減っていって、帰りには何も考えられなくなっている。

しかし俺は折坂悠太の音楽という空間のなかで、

かむくらの「おいしいラーメン750円」のことを、

甘い白菜と柔らかい豚肉がいっぱい入ったかむくらのラーメンをすすった瞬間の

自分のことを、

その自分が、いま生きているときっと感じるだろうと、

目一杯想像することができた。これは幸せだ。

そして、寝た。

 

循環していると思います。

少しばかりのMCで、折坂悠太は言っていた。

ステージは循環していると思う、と。

私があなた方に音楽を届けていると同時に、

あなた方が生み出した何かを、また私も受け取っていると思う、と。

だから、またどこかで会いましょうと。

それだけ言った。感謝も媚びもへつらいも無かった。余計なことは言わなかった。

あとはずっと、ずっと歌っていた。

 

帰りに、ひとりセンター街に寄った。

何を食べたかは、言うまでもない。

 

 

来づらいとこで悪いんだけど

本当に来るなら本当に待ってるよ

あれを歌おうか やりましょね

やまびこのように のびやかに今日は(折坂悠太・「心」)