反射神経

この間、子が「翔んで埼玉」を見た人間しかわからない

例のポーズをいきなりザッ!と俺にキメてきた。

親指と人差し指だけで輪っかを作り、クロスさせる「しらこばと」のポーズを。

この場合、数か月前に子と一緒に「翔んで埼玉」を観た俺は、

埼玉県民ではないものの、父として・また社会人として、

すぐに同じポーズをザッ!と子に返すのが唯一にして最高の正解だが、

は?なにそれ?

と言ってしまった。

 

子の、ほら、翔んで埼玉の、、、やつだよ、、、という恥ずかしそうな声。

不覚。ここは「しらこばとポーズ」するやつやんかー

「芸人が、ウケなかったネタを自分で説明する」級の屈辱を子に与えてしまった。

自分のお笑い運動神経の悪さにうなだれた。

 

俺は会話の反射神経みたいなものが悪い。

こないだ近所の値段のわりに美味しい焼き鳥屋で持ち帰りの注文を電話したとき、

ネギマ・つくね・ぼんじり・レバーと言ったあと

一番おいしい「ハツ」がを頼んだら「今日は終わっちゃったの、無い」と言われた。

あとどうしますか?と聞かれ

「う、あ、えーと、あ、あ~」と想定外の状況に固まってしまった。

 

それを見た妻君が一閃「ナンコツ」と電話に向かって言って、注文を無事終えた。

実際ナンコツはめちゃくちゃ美味しかった。

 

瞬時の反射神経みたいなもの、憧れる。

センスの無い俺は、いつか繰り出されるかわからない子の

しらこばとポーズ」に備え、風呂場で毎日毎日練習をするしかない。