ガム
子に、マルカワのフーセンガムをもらった。
駄菓子屋にあった、10円で4粒入ってるやつ。何十年ぶりだろう。今もあるんか。
グレープフルーツ味。らしい。
4粒いっきに口にいれる。
甘い。サラリーマンの生活では口に入ってこない、違う世界の味。夢の味。
一瞬で甘さでいっぱいになったが、ほんの数十秒で、甘さはどこかへ飛んで行った。
さすが10円。哀しく甘い。
そっかフーセンガムか、と、膨らましてみる。
プ~・・・プシ
すぐ割れる。プ~・・・プシ、プ~・・・プシ。
子供の頃はちゃんと出来たのにな。
オイルが切れかけたライターみたいなことを数回繰り返し、諦めた。
夢を膨らます子供だけが、フーセンガムもいっぱいに膨らませられるのかもしれない。
いい年した大人にはもう、それはできない。